
画像出典:https://ja.wikipedia.org/
オオバコについて
植物名 | オオバコ(大葉子), 別名:カエルバ(蛙葉) |
分類 | オオバコ科オオバコ属 |
分布・育成地 | 全国に広く分布 |
開花の時期 | 5月から10月 |
採取する時期 | 4月から6月(葉), 9月から10月(種子) |
食用利用する部位 | 若葉(冬), 種子(秋) |
オオバコはオオバコ科オオバコ属に属する多年草の植物です。学名は「Plantago asiatica」。英名は「Plantain」。
また、別名にカエルバ(蛙葉)という呼び名がありますが、これはオオバコの近くに弱っているカエルを置くと、カエルが元気になることから付けられたと言われています。
中国では「車前草(シャゼンソウ)」と呼ばれますが、これはオオバコが人や牛車の車輪に踏まれても強く育つことから付けられたとされています。
オオバコは北海道から沖縄まで全国に生育地は広がっており、道端や空き地などどこでも見かけることができるためほぼ雑草扱いになっています。
オオバコは地上部には茎がなく、根本から先の尖った卵形の葉が生えているのが特徴で、近縁種にはエゾオオバコ、トウオオバコ、ヘラオオバコなどがありますが、同様に食べることができます。
ちなみにオオバコの花言葉は「足跡」「足跡を残す」です。
※ オオバコの花言葉や豆知識については、以下の記事を参考にしてください。
オオバコの特徴:踏まれて育つ?
オオバコは人や動物に踏まれて育つ「踏み跡植物」といわれる植物です。
踏まれても踏まれてもたくましく育つ、正に雑草の代表格のような植物ですが、茎が地上部にないため踏まれないと他の植物に負けてしまうんだそうです。
また、オオバコはしばしば道沿いに広がって生育していますが、これはオオバコの種子の特徴が影響しています。
オオバコの種子は踏まれたり雨などで濡れるとゼリーのような粘液を出してベタつくのですが、この状態で人や動物にくっついて運ばれていき、拡大していくという特性があります。
人や動物に踏まれて育ち、繁殖していく……踏まれて育っていくのがオオバコという植物の特徴といえるでしょう。
オオバコの採取時期と食べれる部位
オオバコで食べられる部位は葉と種子です。
葉は春から初夏の時期の若葉を採集し、種は9月から10月の秋に採集します。
また、若葉は暖かい地域であれば、ほぼ一年中採集することができます。
採集は、若葉は葉の根本から取り、種子は長く伸びた花茎ごと採集し、水分に触れないように気をつけて持ち帰りましょう。
オオバコはどこにでも生えている雑草で、主に土のある道の側や野原、公園、空き地などに密集して生えていますが、植物の性質から考えると人や動物に踏まれたりしている可能性が高く、場所によっては汚染されている可能性もあるので、なるべく人に踏み荒らされたりしていない場所から採集した方が安全です。
オオバコの採取に関するポイント
- 採取する時期は、葉は4月から6月。種は9月から10月
- 全国に広く自生し、土のある道端や空き地、野原、草地などで採取可能
- 採取する部位は若葉、種子
注意
市街地や都市部近郊に生えている野草は注意が必要です。
・農薬や除草剤が撒かれている場所は土壌汚染されています。採取は避けましょう。
・犬猫などのペットや動物が歩き回っている場所は、動物の糞尿で汚染されている危険性があるので採取は避けましょう。
・車などの交通量が多い場所は排気ガスによる汚染の可能性があるので、採取は避けましょう。
また、私有地となっている山地や各種公園指定を受けている山地では野草の採集が禁止されていますので、このような場所での野草の採取はやめましょう。
ポイント
各自治体が特別に注意事項を告知している場合があります。
地方に野草の採集に行かれる方は、その地方の自治体の告知を確認することをオススメします。
(栃木県の例)
野草類の放射性物質による汚染に関する注意喚起がなされています。
(新潟県の例)
山野草を採取する人向けに食中毒に関する注意喚起がなされています。
オオバコの下処理や食べ方について
オオバコの葉は香味があってほのかな苦味があります。
下処理は、水洗いした後に塩ひとつまみを入れた熱湯で3~5分ほど茹でて、冷水に5分間さらします。
※ 葉に厚みがあるので茹でてもしなしなになったりはしません
茹でた後は炒め物の具材に使用したり、和え物に。
また、水洗いした後にそのまま揚げて天ぷらやかき揚げにすると手軽に食べられます。
天ぷらにする場合は、葉の裏側だけに衣を付けると綺麗に揚がります。
種子の方は、花穂からしごいて落とし、そのまま油で炒めたり炒るなどして、ご飯にふりかけて食べます。
また、オオバコには尿路結石の原因といわれているシュウ酸が多く含まれているため、食べ過ぎないように気をつけてください。
調理方法
- 茹でる
- 揚げる
- 炒める
下ごしらえに関する注意点
近年は野生動物が人里に降りてくるようになり、野生動物を介して野草に寄生虫の幼生や卵が付着するリスクが高まっています。
採取した野草を単体でしっかり水洗いし、熱湯で下茹ですることで寄生虫のリスクを避けることが出来ますので、必ず水洗いと下茹でを行いましょう。
炒め物や煮物で複数の具材を使用する場合、どうしても加熱にムラが出てしまうため、安全のため熱湯で下茹でした方が良いです。
注意ポイント
「毒性のある植物は加熱すれば大丈夫」と一般的に言われていますが、家庭での加熱では減毒するのは難しいのが現実です。(食中毒で入院した方も加熱処理していたのに入院する事態になっています)
毒性のある野草を食べるのは危険ですので止めましょう!