ハルジオンについて
植物名 | ハルジオン(春紫苑) |
分類 | キク科ムカシヨモギ属 |
分布・育成地 | 全国に広く分布 |
開花の時期 | 4月から6月 |
採取する時期 | ほぼ通年 |
食用利用する部位 | 若芽、柔らかい葉、茎、蕾 |
ハルジオンは4月から6月にかけて開花する北アメリカ原産の一年草(または越年草)の植物です。
日本全国に広く分布しており、道端や空き地、畑などに自生している雑草の一種です。
繁殖力が強すぎて他の植物の生育を邪魔してしまうために要注意外来生物に指定されたり、日本の侵略的外来種ワースト100に選定されたりしています。
花はキク科特有の舌状花と呼ばれる細い花弁を持ち、白い糸のような細い花弁が中心から放射状に広がる形状をしています。
花の大きさは2cmくらい、草丈は30cmから80cm程度まで成長し、楕円形の葉には毛が生えています。
また、非常に見た目がよく似たヒメジョオンという植物があり、しばしば混同されますがヒメジョオンも食用が可能です。
ハルジオンの花言葉は「追想の愛」です。
※ ハルジオンの花言葉・豆知識については以下の記事を参考にしてください。
ハルジオンの別名は「貧乏草」
ハルジオンには「貧乏草(ビンボウグサ)」という別名がつけられています。
なぜこのような呼び名が付けられたのか、様々な説が伝えられていますが、
●「ハルジオンの花を摘んだり折ったりすると貧乏になる」という迷信が元になっている説
●繁殖力が強く、庭の手入れが行き届かない貧乏な家でも咲くことからきているという説
●うっかり持ち帰ったりすると後になって駆除するのが大変なことになるため、「持ち帰ると貧乏になる」という説
以上のような説が、ハルジオンが「貧乏草」と呼ばれる由来になっていると言われていますが、結局のところハルジオンが厄介な雑草だからということに原因があるようですね。
ハルジオンの採取時期と食べれる部位
ハルジオンはほぼ年を通して採取可能ですが、おいしく食べるなら開花する少し前から3月ぐらいの時期に若くて柔らかい葉や蕾のついた茎を採集すると良いです。
また、ハルジオンは全国に広く自生しており、都市部近郊でも道端や空き地などに生えていたりしますが、除草剤やペットの糞尿による汚染の危険があるので自然環境の中にあるものを採集した方が安全です。
ハルジオンの採取に関するポイント
- 採取する時期は開花する3月の少し前がベターだが、年を通して採集可能
- 全国に広く自生し、道端や畑、野原、空き地などで採取可能
- 採取する部位は若くて柔らかい葉、蕾のついた茎
注意
市街地や都市部近郊に生えている野草は注意が必要です。
・農薬や除草剤が撒かれている場所は土壌汚染されています。採取は避けましょう。
・犬猫などのペットや動物が歩き回っている場所は、動物の糞尿で汚染されている危険性があるので採取は避けましょう。
・車などの交通量が多い場所は排気ガスによる汚染の可能性があるので、採取は避けましょう。
また、私有地となっている山地や各種公園指定を受けている山地では野草の採集が禁止されていますので、このような場所での野草の採取はやめましょう。
ポイント
各自治体が特別に注意事項を告知している場合があります。
地方に野草の採集に行かれる方は、その地方の自治体の告知を確認することをオススメします。
(栃木県の例)
野草類の放射性物質による汚染に関する注意喚起がなされています。
(新潟県の例)
山野草を採取する人向けに食中毒に関する注意喚起がなされています。
ハルジオンの下処理や食べ方について
ハルジオンは葉、茎、花、蕾などほぼ全草の部位が食用可能。
キク科の植物のためか風味は春菊に似ています。
お浸しや天ぷらが簡単でオススメな調理法ですが、苦味があるのでお浸しにする場合は下茹での必要があります。
調理方法
- 茹でる
- 揚げる
- 炒める
下ごしらえは
1.しっかり水洗いする
2.下茹でしてアク抜きをする(天ぷらやかき揚げの場合は不要)
以上の2点です。
下茹では、塩ひとつまみを加えた熱湯で7分間茹で、冷水に10分間さらします。
お浸しにする場合はマヨネーズなどで和えて食べると良いです。
天ぷらやかき揚げにする場合、他の具材と一緒に揚げる方が良いでしょう。
食感は柔らかめで繊維感は少なめ、風味は春菊に似ているハルジオンは、手軽に採集して食べられる野草です。
注意ポイント
ハルジオンはキク科の植物です。
キク科花粉症の人の場合、交叉アレルギー反応が出る可能性があるので食べるのは避けた方がいいでしょう。
下ごしらえに関する注意点
近年は野生動物が人里に降りてくるようになり、野生動物を介して野草に寄生虫の幼生や卵が付着するリスクが高まっています。
採取した野草を単体でしっかり水洗いし、熱湯で下茹ですることで寄生虫のリスクを避けることが出来ますので、必ず水洗いと下茹でを行いましょう。
炒め物や煮物で複数の具材を使用する場合、どうしても加熱にムラが出てしまうため、安全のため熱湯で下茹でした方が良いです。
※ アク抜きで茹でる場合は、下茹では省略しても構いません。
注意ポイント
「毒性のある植物は加熱すれば大丈夫」と一般的に言われていますが、家庭での加熱では減毒するのは難しいのが現実です。(食中毒で入院した方も加熱処理していたのに入院する事態になっています)
毒性のある野草を食べるのは危険ですので止めましょう!