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ホトケノザについて
植物名 | ホトケノザ(仏の座) , 別名はサンガイグサ(三階草) |
分類 | シソ科オドリコソウ属, (一年草あるいは越年草) |
分布・育成地 | 本州、四国、九州、沖縄 |
開花の時期 | 3月から6月 |
採取する時期 | 3月から6月 |
食用利用する部位 | 柔らかな葉、花 |
ホトケノザは3~6月頃に開花する一年草(または越年草)の植物です。
日本国内においては本州から沖縄にかけて広範囲で自生しており、道端や川沿いの土手などに生えている雑草です。
雑草なので非常に強健な性質であり、やせ地でも育つことができますが、肥沃な土地だと更に繁殖します。
花はシソ科の植物によく見られる唇状花冠で、色は紫色。
花の下から生えている葉が段上に付くのが特徴で、そのために「サンガイグサ(三階草)」という名前がついたり、葉の様子が仏様の座す台座(蓮華座)に似ていることから花名が「ホトケノザ」と付けられたといわれています。
花言葉は「調和」「輝く心」「小さな幸せ」です。
※ ホトケノザの花言葉・豆知識については以下の記事を参考にしてください。
【注意】ホトケノザは春の七草ではありません
食べれる野草というと「春の七草」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
この「春の七草」は、「芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべ)、仏座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)」の7つを指しています。
しかし…実は、この中で「仏座(ほとけのざ)」と呼ばれている植物は、このページで紹介しているホトケノザとは別の植物のことを指しているのです。
いわゆる「春の七草」でホトケノザと呼ばれている植物は、「コオニタビラコ」のことを言います。

コオニタビラコ
画像でお分かりかと思いますが、コオニタビラコは花色は黄色で、キク科ヤブタビラコ属の植物であり、ホトケノザとは全く別の植物です。
コオニタビラコはかつて放射状に広がっている葉の形状からホトケノザと呼ばれていましたが、後に現在のコオニタビラコで呼ばれるようになっています。
つまり、現在ホトケノザとされている植物は、「春の七草」のホトケノザとは別物である、ということです。
注意ポイント
現在ホトケノザの名で呼ばれている植物は「春の七草」の植物とは別の植物であり、ホトケノザは「春の七草」ではない。
ホトケノザの採取時期と食べれる部位
ホトケノザの花の開花時期は3月から6月。
食用目的で採取するのに適しているのも同様に3月から6月頃となります。
ホトケノザは本州、四国、九州、沖縄と広く分布しており、道端や田んぼ、畑、野原、空き地などに生えているのでどこでも採取することが出来ます。
食べられる部位は「柔らかい葉の部分」と「花」です。
花は甘い蜜を含んでおり、料理に散らして味付けに使うと良いでしょう。子供の頃にホトケノザの花の蜜を吸った人も多いのではないでしょうか?
ホトケノザの採取に関するポイント
- 採取する時期は3月から6月
- 全国に広く自生し、道端や田んぼ、畑、野原、空き地などで採取可能
- 採取する部位は柔らかい葉、花
注意
市街地や都市部近郊に生えている野草は注意が必要です。
・農薬や除草剤が撒かれている場所は土壌汚染されています。採取は避けましょう。
・犬猫などのペットや動物が歩き回っている場所は、動物の糞尿で汚染されている危険性があるので採取は避けましょう。
・車などの交通量が多い場所は排気ガスによる汚染の可能性があるので、採取は避けましょう。
また、私有地となっている山地や各種公園指定を受けている山地では野草の採集が禁止されていますので、このような場所での野草の採取はやめましょう。
ポイント
各自治体が特別に注意事項を告知している場合があります。
地方に野草の採集に行かれる方は、その地方の自治体の告知を確認することをオススメします。
(栃木県の例)
野草類の放射性物質による汚染に関する注意喚起がなされています。
(新潟県の例)
山野草を採取する人向けに食中毒に関する注意喚起がなされています。
ホトケノザの下処理や食べ方について
ホトケノザで食べられる部位は、柔らかい葉の部分です。成長して硬くなった葉は食感があまり良くないそうなので、若くて柔らかめの葉を採取しましょう。
日本ではほぼ食用利用されることのないホトケノザですが、海外では茹でて食べたり、サラダの香草として使用されているようです。
調理方法
- 茹でる
- 揚げる
- 炒める
主な調理法は「茹でる」「揚げる」「炒める」の3つ。
下ごしらえはしっかり水洗いすること。
天ぷらや炒めものの場合は水洗いのみでOKですが、それ以外の場合は短時間でいいので熱湯で塩茹でしましょう。
味がほとんどしないそうなので、調味料等での味付けが必須です。
下ごしらえに関する注意点
近年は野生動物が人里に降りてくるようになり、野生動物を介して野草に寄生虫の幼生や卵が付着するリスクが高まっています。
採取した野草を単体でしっかり水洗いし、熱湯で下茹ですることで寄生虫のリスクを避けることが出来ますので、必ず水洗いと下茹でを行いましょう。
炒め物や煮物で複数の具材を使用する場合、どうしても加熱にムラが出てしまうため、安全のため熱湯で下茹でした方が良いです。
※ アク抜きで茹でる場合は、下茹では省略しても構いません。
注意ポイント
「毒性のある植物は加熱すれば大丈夫」と一般的に言われていますが、家庭での加熱では減毒するのは難しいのが現実です。(食中毒で入院した方も加熱処理していたのに入院する事態になっています)
毒性のある野草を食べるのは危険ですので止めましょう!