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アネモネの花言葉
●アネモネ全般の花言葉
「はかない恋」「恋の苦しみ」「薄れゆく希望」「嫉妬のための無実の犠牲」「可能性」「清純無垢」
●アネモネの英語の花言葉
「anticipation(期待)」「forsaken(見捨てられる、見放される)」
●アネモネのイギリスの花言葉
「消えた希望」「病気」
●アネモネのフランスの花言葉
「辛抱」「無邪気」
アネモネの色別の花言葉は?
●赤いアネモネの花言葉
メモ
赤いアネモネの花言葉は「君を愛す」です。
赤い色は情熱をイメージさせるためか、赤い花にはこのような愛情に関する花言葉が多いようで、アネモネの花でも赤い花には愛に関連した花言葉がつけられています。
別の色のアネモネの花言葉は受け身な感じの花言葉が多いですが、赤いアネモネだけは「君を愛す」という積極的な意志を感じさせる花言葉になっています。
●白いアネモネの花言葉
メモ
白いアネモネの花言葉は「真実」「期待」「希望」です。
白いアネモネの清楚なイメージや、白という純粋さや誠実さを連想させる色のイメージから、明るい未来や希望をイメージしてこのような花言葉がつけられたのでしょう。
●青いアネモネの花言葉
メモ
青いアネモネの花言葉は「堅い誓い」です。
青という色には「誠実」「信頼」「冷静」というイメージがありますが、青いアネモネの花言葉の「堅い誓い」からは確かに「誠実」や「信頼」といったイメージが当てはまっていますね。
心に刻むような約束や誓いを連想させる花言葉です。
●紫色のアネモネの花言葉
メモ
紫色のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」です。
赤いアネモネの花言葉「君を愛す」と比べると、相手からのアプローチを待っているかのような受け身な感じのする花言葉となっています。
●ピンクのアネモネの花言葉
メモ
ピンクのアネモネの花言葉は「待ち望む」「待望」です。
基本的にピンクの花には明るいイメージの花言葉が多いですが、アネモネの場合はやや物悲しさの漂う花言葉となっています。
紫色のアネモネの花言葉「あなたを信じて待つ」と同様に、片思いの相手が振り向いてくれるのをじっと待っているかのような、受け身な愛情を連想させる花言葉ですね。
アネモネの花言葉の由来は?
アネモネの花言葉「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」の由来は、あるギリシャ神話からきているといわれています。
美少年アドニスの物語
美の女神アフロディーテは、ある時キューピッドの矢を受けたためにアドニスという美少年に恋をします。
ある日、狩りが好きなアドニスは獰猛なイノシシに挑みますが、イノシシに襲われて死んでしまいました。
以前、アフロディーテはアドニスに「狼やイノシシには気をつけるように」と忠告していたのですが、その忠告は結果的に無視されてしまったようです。
アフロディーテはアドニスの死を悲しんで涙を流しますが、その涙がアネモネの花となりました。
(別の説では、重傷を負ったアドニスを抱きかかえたアフロディーテが、彼の流した血に神酒ネクターを注いだところ、泡立った血からアネモネの花が咲いた、という内容になっています)
以上のような美少年アドニスにまつわる悲恋の物語から、「はかない恋」や「見捨てられた」「見放された」という花言葉がつけられたのではないか、といわれています。
アネモネの種類
アネモネの花は100種類を超えており、とても多くの品種が存在しています。
園芸向けとしては現在、一般的にアネモネといえばアネモネ・コロナリア種のことを指しており、このコロナリア種から園芸用の品種が多く生み出されています。
アネモネ・デカン

アネモネ・デカン
アネモネ・デカン(Anemone coronaria ‘De Caen’ )は19世紀後半頃にフランスで作られた園芸品種です。
草丈は20~40cmくらいまで成長し、花色は赤やピンク、紫色など豊富にあり、一重から半八重の花を咲かせます。
アネモネ・モナリザ

アネモネ・モナリザ
アネモネ・モナリザ(Anemone coronaria ‘Mona Lisa’)はデカンよりも大きく成長する品種で、草丈は60cm程度まで成長します。
花はデカンよりも大きく、八重咲きで大きくて薄い花びらをしています。
育てる際には倒れやすいので支柱を使用した方が良いです。
アネモネ・セントブリジッド

アネモネ・セントブリジッド
アネモネ・セントブリジッド(Anemone coronaria ‘St.Brigid’ )は19世紀頃にアイルランドで作られた園芸品種です。
草丈は草丈は20~40cmくらいまで成長し、八重咲きで赤・青・白・ピンク色の花を咲かせます。
花弁が細く先端が尖っていて、数が多いのが特徴です。
アネモネ・ポルト

アネモネ・ポルト
アネモネ・ポルト(Anemone coronaria ‘Porto’)はコロナリア種から作出された園芸種です。
草丈は20~30cmと低めで、直径5~8cmくらいの大きさの花を咲かせる大輪一重咲きのアネモネです。
実はポルトには八重咲きの花をつける「ポルト ダブル」という品種が開発されており、この品種は2015年に日本の株式会社サカタのタネによって作出されています。
アネモネ・モナーク

アネモネ・モナーク
アネモネ・モナークは「スパイダー咲き」と呼ばれる咲き方をするアネモネの園芸種の一種です。
小輪で菊のような咲き方をする花で、花色は赤・青・白・ピンクなどの色があります。花弁はセントブリジッドよりも小さめです。
アネモネの誕生花
●アネモネの誕生花
1月22日、2月2日、2月19日、2月21日、3月10日、3月12日、3月13日、3月18日、3月21日、4月2日、4月4日、4月6日、4月13日、4月16日、4月23日
●赤いアネモネの誕生花
4月4日
●青いアネモネの誕生花
2月15日、4月2日
●白いアネモネの誕生花
4月2日
アネモネの豆知識
アネモネはキンポウゲ科イチリンソウ属に属する多年草で、学名は「Anemone coronaria」。英名は「Anemone」。和名は「ボタンイチゲ(牡丹一華)」「ハナイチゲ(花一華)」「ベニバナオキナグサ(紅花翁草)」などがあります。
原産地は地中海近辺のヨーロッパ地方。ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域の原生地から各地へ伝わったアネモネですが、これには十字軍の遠征や巡礼者が関わっているといわれています。
現在、一般的にアネモネというと「アネモネ・コロナリア」のことを指しますが、同属の中には様々な品種が存在し、中国原産のシュウメイギク、北アメリカ原産のアネモネ・バージニア、ヨーロッパ原産のアネモネ・シルベストリスなどがあります。
アネモネ・コロナリアは、アネモネ・パボニナとアネモネ・ホルテンシスが交雑して生まれたアネモネ・フルゲンスの交雑種の中から選抜されて誕生しています。
ちなみにアネモネの花は2013年からイスラエルの国花に制定されています。
アネモネの花名の由来
花名の「Anemone」の語源は、ギリシャ語の「anemone」が由来です。
「anemos」が「風」という意味で、それに接続する「one」は子供や娘という意味で、「風の子」や「風の娘」という意味になります。
アネモネの花の由来はこの「風の子」や「風の娘」だとされていますが、これについては2つの説があり、1つはアネモネが春風が吹く頃だけ開花するから、というもの。
そしてもう1つは、ギリシャ神話の精霊アネモネが由来になっている、という説です。
風の神ゼフュルスの神話
春の訪れを知らせる西風の神ゼフュルスは、花の女神フローラの侍女である精霊アネモネを愛していました。
花の女神フローラは、自分の元に西風の神ゼフュルスが頻繁にやってくるため、彼が自分を愛しているのだと勘違いしてしまいます。
しかし、ある時フローラは自分の勘違いに気づき、嫉妬心からアネモネを追い出してしまいます。
そして西風の神ゼフュルスは、フローラとの関係悪化を恐れるあまり、あろうことか愛するアネモネを花の姿に変えてしまいました。
また、アネモネは英語で「wind flower」と呼ばれますが、これはアネモネの種には長い毛があり、種が風に乗って運ばれることからきているといわれていて、いずれにしろアネモネの花には「風」が関連しているようです。
アネモネの特徴
アネモネの花には1つ特徴があり、実はアネモネの花には花ぴら(花弁)は存在していません。
花びらのように見える部分は実はガクで、実際にはアネモネの花びらは中心の部分が該当します。
アネモネのガクの部分が鮮やかに色づいているために、一見すると花びらのように見えるのです。
このように、アネモネは花びらのない珍しい花となっています。
アネモネには毒がある?
園芸向けの品種が多数作られているアネモネですが、実は草全体に渡って毒があるので注意する必要があります。
アネモネには「プロトアネモニン」という有毒成分が含まれており、茎から出る汁液に触れると皮膚炎や水疱、化膿などの症状を引き起こす危険があります。
誤って食べたりすると胃腸が炎症を起こしたり、場合によっては心停止などの重篤症状を引き起こすことがあるので、人間はもちろん犬や猫などのペットが食べたりしないように注意してください。
プロトアネモニンについて
・プロトアネモニン(protoanemonin)は淡黄色、油状で、揮発性が強く、皮膚や粘膜に対する刺激性の強い物質であり、キンポウゲ科の多くの植物に配糖体ラヌンクリン(ranunculin)として存在する。
・これらの植物は、葉や茎が傷ついたり折れたりする細胞組織の破壊に伴ってプロトアネモニンを生成する。
・肌に触れた場合、皮膚炎や水疱、化膿を引き起こす場合がある。
・誤食した場合、胃や腸に炎症がおきたり、心臓毒としても作用するため心停止などの重篤症状を引き起こす場合がある。
また、古代のエジプトではアネモネの花の毒を吸うと大病にかかるという言い伝えがあり、「病気の印」とされていたそうです。
しかし、普通に園芸用途で栽培するのであれば、それほど毒性について恐れる必要はありません。