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タンポポの花言葉
●タンポポの花言葉
「愛の神託」「神託」「真心の愛」「別離」
●タンポポの英語の花言葉
「love’s oracle(愛の神託)」「oracle(神託)」「faithfulness(誠実)」「happiness(幸福)」
タンポポの花言葉の由来は?
●花言葉「愛の神託」「神託」「真心の愛」の由来について
タンポポの花言葉(「愛の神託」「神託」「真心の愛」)の由来は、昔からヨーロッパで行われているというタンポポの綿毛を使った恋占いが由来だと言われています。
このタンポポ占いは、好きな人を思いながら「好き」「嫌い」と交互に唱えて息を吹いて綿毛を飛ばしていくというもので、最後の一息のタイミングで「好き」と「嫌い」のどちらになるかで結果を占います。
また、別のやり方もあるそうで、一息で綿毛をすべて吹き飛ばせた場合は「相手から情熱的に愛されている」という結果になり、たくさん綿毛が残った場合は「相手はあなたに興味がない」という結果で、綿毛が少し残った場合は「相手の心が離れていく可能性がある」という結果になる、という占いです。
神託とは神のお告げという意味なので、花言葉「愛の神託」「神託」の由来はタンポポ占いからきているそうです。
また、「真心の愛」は白い綿毛や恋愛を占うタンポポ占いからイメージされる純粋さや愛情が由来となっているようです。
●花言葉「別離」の由来について
タンポポの花言葉「別離」は、タンポポの綿毛に付けられた花言葉です。
そしてこの花言葉の由来は、風にのって飛ぶ綿毛の姿からきていると言われています。
しかし、実はもう一つ別の説があって、それによると昔からアメリカで言い伝えられている逸話が由来だという説があります。
アメリカに伝わるタンポポの物語
初春のある日、南風は野原で見かけたある少女に恋をします。その少女は黄色の髪をしていて、夏頃には美しく成長しました。
南風はしばらく少女のそばから離れますが、冬になって帰ってきた時、黄色の髪の少女は白髪の老婆の姿になっていました。
悲しくなった南風はため息をついてその場を離れますが、その息によって老婆の白髪が吹き飛び、野原に散っていきました。
そしてこの黄色い髪の少女の正体は、タンポポの花だったのです。
以上のような逸話が由来となって、花言葉「別離」がつけられたという説があります。
タンポポの色別の花言葉は?
タンポポというと普通は黄色の花だけじゃないの?と思いがちですが、実は園芸品種の中には白やピンクやオレンジの花を咲かせるタンポポが存在します。
ここでは色別のタンポポの花言葉を紹介します。
●白いタンポポの花言葉
白いタンポポの花言葉は「私を探して」「私を見つめて」です。
この白いタンポポは日本の在来種の「白花蒲公英(シロバナタンポポ)」のことで、現在はあまり見かけられず希少なタンポポとなっています。
探して見つけることが困難なことから、「私を探して」「私を見つめて」という花言葉がつけられたと言われています。
●ピンクのタンポポの花言葉
ピンクの花を咲かせるタンポポは「モモイロタンポポ(桃色蒲公英)」というヨーロッパ原産の園芸種で、淡いピンク色や白い花を咲かせます。
イタリア南部やバルカン半島が原産地で、大正時代に園芸品種として渡来した品種ですが、近年では東京都の一部で野生化が確認されています。
このモモイロタンポポの花言葉は「あたたかみのある心」。
モモイロタンポポの花は花の中心に向かってピンク色のグラデーションが色濃くなっていくのですが、その花姿が由来になっているようです。
●オレンジのタンポポの花言葉
オレンジ色のタンポポは「コウリンタンポポ(紅輪蒲公英)」と呼ばれるヨーロッパ原産の園芸種で、濃いオレンジ色の花を咲かせます。
明治時代に観賞用として渡来した植物ですが、近年は北海道や本州の中部地方以北などで野生化しています。
別名で「エフデタンポポ(絵筆蒲公英)」「エフデギク(絵筆菊) 」と呼ばれることもあるようです。
このコウリンタンポポの花言葉は「眼力」「めざとい」。
由来はコウリンタンポポ(Hieracium aurantiacum)の属名の「Hieracium」というギリシャ語からきているそうで、「Hieracium」はギリシャ語で鷹を意味していますが、鷹が視力を高めるためにコウリンタンポポの汁を飲んだり目を洗ったりしたという古来の伝説が由来だと言われています。
タンポポの誕生花
●タンポポの誕生花
2月10日、2月18日、2月19日、3月10日、3月13日、3月23日、3月29日、4月3日、5月3日
タンポポの豆知識
タンポポ(蒲公英)はキク科タンポポ属に属する多年草の植物で、学名は「Taraxacum 」。英名は「Dandelion」。また、別名として「鼓草(ツヅミグサ)」があります。
タンポポには昔から日本に自生するニホンタンポポと、外国から渡来したセイヨウタンポポの二種類に大きく分けられます。
ニホンタンポポの開花時期は3~4月ですが、セイヨウタンポポは一年中花を咲かせるという特徴があり、夏をすぎても花が咲いているのはセイヨウタンポポの方です。
近年はセイヨウタンポポの繁殖が広がり、在来種のニホンタンポポは隅に追いやられているという説があるようですが、近年の研究により、ニホンタンポポとセイヨウタンポポの中間的な特徴を合わせ持った雑種タンポポの存在が確認されており(色々なタンポポのDNAの塩基配列を調査した結果、判明した)、セイヨウタンポポの繁殖が広がったというよりは、異なったタンポポ同士の交雑が進んでいるのではないかという説があるようです。
タンポポの花名の由来
タンポポの花名の由来については2つの説があります。
1つは、別名の「鼓草(ツヅミグサ)」に関連している説で、タンポポの花の形状が和楽器の鼓に似ており、鼓を打った時に「タン・ポン・ポン」という音が出ることから「タンポポ」という名前になった、とする説があります。
もう1つの方は、タンポポの綿毛が綿玉のタンポ(筆のような道具)に似ていることからタンポ穂(タンポポ)と名付けられた、という説です。
また、英名の「dandelion(ダンディライオン)」の由来は、タンポポの葉の形状がギザギザになっており、この形状がライオンの歯をイメージさせることから付けられたそうです。
タンポポの特徴
タンポポはキク科の野草で日本各地に広く自生する多年草の植物です。
花の色は基本的には黄色で(品種によりピンクや白の花がある)、花弁状の一枚の花(舌状花)が集まって1つの花を形成しており、このような花は頭状花(または頭状花序)といいます。
また、タンポポの種子は冠毛という綿毛によって風に乗って飛散され、繁殖が広がっていくという特徴があります。
葉の形状はギザギサでノコギリの歯のような形状をしており、茎は葉が生えておらず、花のみを咲かせるための花茎で、葉の付け根にできた蕾が成長するにつれて花茎は伸びていきます。
根は地中深くまで伸びていき、その長さは1mを超えることもあるとか。
タンポポは根が残っていれば再生できるほど強い生命力を持っており、根絶するにはかなり苦労するため、雑草のような扱いになっています。
タンポポの種類
日本に自生しているタンポポには大きく分けて2種類あり、1つは日本の在来種であるニホンタンポポ。
もう1つは外国から渡来したセイヨウタンポポがあります。
また、ニホンタンポポにもいくつかの種類があり、地域によって自生するタンポポの品種が異なっているようです。
●セイヨウタンポポ
ヨーロッパ原産の外来種で、日本以外にもアメリカやニュージーランド、アフリカなどでも見られます。 ニホンタンポポとの違いは花が一年中咲いていることと、花の下部の外総苞片が反り返っている点が異なっている部分です。 日本では、このセイヨウタンポポおよびその混合種が広範囲で繁殖していると言われています。
●ニホンタンポポ
日本の在来種のタンポポのことを一般的にニホンタンポポと呼びますが、その中にもいくつかの種類のタンポポが存在します。
☆カントウタンポポ
関東地方に分布するタンポポで、花の大きさは3~4cmほどの大きさです。
☆カンサイタンポポ
近畿から北九州を中心に分布しているタンポポ。花の大きさは約3㎝で、花の下部(外総苞片)が小さめなのが特徴です。
☆トウカイタンポポ
静岡県を中心に分布しているタンポポ。花の大きさは約4cmで、花の下部(外総苞片)が長いという特徴があります。
☆シロバナタンポポ
関東以西、四国、九州に分布しているタンポポ。開花時期は2~5月で、白い花を咲かせるタンポポです。
ポイント
●タンポポの在来種と外来種の見分け方

左:ニホンタンポポ/右:セイヨウタンポポ
ニホンタンポポ(在来種)とセイヨウタンポポ(外来種)の見分け方は、上の画像のように花の下側の形状の違いで区別できます。 花の下部の外総苞片が反り返っているのが外来種のセイヨウタンポポで、反っていないのが在来種のニホンタンポポです。
タンポポは食べられる?
実はタンポポは、花や葉、茎、根など全ての部分が食用として利用でき、食べることができます。
葉や茎はサラダや天ぷらや和え物として調理したり、根や葉をお茶やコーヒーとして利用するのが一般的な調理法です。
また、タンポポにはビタミンA、ビタミンB2、カルシウム、鉄分、カリウムなど豊富な栄養素が含まれており、ヨーロッパでは古来より薬草として食されてきた歴史があり、肝機能強化や血液浄化、利尿作用などデトックス効果が期待できる食材です。
特に利尿作用については、フランスではpissenlit(ピサンリ)、イタリアではpisci alletto(ピッシャ レット)というおねしょを意味する言葉で呼ばれるほど強力だそうです。
注意ポイント
タンポポはわりと身近に自生しているのでどこででも見つけられますが、場所によっては除草剤や農薬が付着していたり、犬や猫の糞尿がかかっていたりする可能性があるので、採取する場合は人があまり近づかない場所のタンポポを採る、または自分で栽培したものを使用するようにしましょう。
●風味や味について
セイヨウタンポポの葉はかなり苦味が強いため、サラダにして食べる場合はニホンタンポポの方が苦味は少なめです。
ただし、近年は混合種が広く分布していることを考えると、ある程度の苦味はあるのでしょう。
天ぷらにすれば苦味はあまり感じられません。
●調理について
・サラダやおひたしにする場合は、アク抜きする必要があります。
下処理の手順
葉をよく洗い、沸騰したお湯に塩を加えて葉を入れる。葉を取り出したら、冷水で冷やし、数時間、水にひたしておく。
・天ぷらにする場合は、下処理は不要です。他の野菜の天ぷらと同様に、衣をつけて油でさっと揚げるだけです。
・飲料としては、タンポポ茶やタンポポコーヒーが有名です。どちらの場合もタンポポの根を細かく刻んで乾燥させ、焙煎したものを使用します。
タンポポコーヒーの作り方
タンポポの根をよく洗ってから1cmほどの大きさに切り、キッチンペーパーの上などで干して乾燥させる(3~4日程度)。
乾燥させた根を弱火で炒る(香りや色が濃くなっていればOK)。次はミルなどで粉末状にし、普通のコーヒーと同様に熱湯を注いでドリップする。
* カップ一杯分につき、タンポポの根を5本程度使用
タンポポの薬用利用について
タンポポは古来より海外や日本において、食用だけでなく薬草としても利用されてきました。
漢方ではタンポポの根を乾燥させたものを「蒲公英根(ほこうえいこん)」と言いますが、これは漢方の生薬として用いられます。
また、江戸時代の日本では、タンポポの根を煎じて飲んでいましたが、主に胃、肝臓、腎臓の強壮、利尿、便秘・消化不良の改善目的で薬用利用されていました。
●タンポポの主な薬効
・タンポポにはベータカロチンとポリフェノール化合物が豊富に含まれており、どちらも有害な活性酸素を中和し、慢性疾患から保護する可能性があります。
・タンポポは、ポリフェノールなどの特定の化合物のおかげで、炎症を軽減する可能性があります。(これは動物実験ではある程度の効果が確認されていますが、人体での実験や検証についてはまだ十分なされていません)
・チコール酸とクロロゲン酸はタンポポに含まれる2つの生理活性化合物で、血糖値を下げるのに役立つ可能性があります。(一部の動物実験で血糖値を下げることが示されていますが、人体での実験や検証についてはまだ十分なされていません)
・タンポポに含まれるいくつかの化合物は、心臓病の主要な危険因子であるトリグリセリドとコレステロールのレベルを低下させる可能性があります。(いくつかの動物実験でタンポポがコレステロールとトリグリセリドのレベルを下げることが示されていますが、人体での実験や検証についてはまだ十分なされていません)
・タンポポは食物繊維とイヌリンなどのプレバイオティクス化合物が豊富で、便秘の治療や消化器系の健康を改善する可能性があります。
・一部の実験ではタンポポ抽出物がウイルスの複製能力を大幅に低下させることが判明しており、タンポポには抗菌性と抗ウイルス性がある可能性を示しています。
・一部の実験ではタンポポ抽出物は、日光、老化、にきびによって引き起こされる皮膚の損傷を防ぐ可能性が示されています。
注意ポイント
タンポポはキク科の植物です。
キク科花粉症の人の場合、交叉アレルギー反応が出る可能性があるので摂取は避けてください。