ハルジオンの花言葉
ピンクや白の花を咲かせる春の野草であるハルジオン。
そのハルジオンの花言葉は「追想の愛」です。
ハルジオンの花言葉の由来は?
ハルジオンには「追想の愛」という花言葉がありますが、「追想」とは「過去の出来事や去った人たちを思いしのぶこと」という意味で、つまり「追想の愛」とは過去の恋愛を思い偲ぶという意味でしょう。
ハルジオンは蕾の時は下向きの状態が通常ですが、その姿が過去の恋愛を思い偲んでうなだれている人の姿をイメージさせることから「追想の愛」という花言葉がつけられたと言われています。
別の説としては、ハルジオンに似た植物のシオン(紫苑)の花言葉である「追憶」からきているという説もあります。
ハルジオンの誕生花
●ハルジオンの誕生花
4月14日、12月12日
ハルジオンの豆知識
ハルジオンはキク科ムカシヨモギ属に属する植物で、原産地は北アメリカ。
学名は「Erigeron philadelphicus」。英名は「Philadelphia fleabane」。和名は「春紫苑(ハルジオン)」です。
学名のErigeronはギリシャ語の「eri」とgeron」を合わせたもので、意味はそれぞれ「早い」「老人」という意味があり、これはハルジオンが春に早く咲くことと、白い毛で覆われている様子が白髪の老人のようであることからつけられたと言われています。
同じキク科ムカシヨモギ属のヒメジョオンと見た目が非常に似ており、しばしば混同されることが多いです。
北アメリカ原産で、1920年代に観賞用として渡来しましたが、非常に繁殖力が強く現在は空き地や道端などに広く自生しており、雑草として扱われています。
1980年代には除草剤に耐性のある個体が出てきており、他の植物の生育を妨害したり駆逐する恐れがあるため、ヒメジョオンと共に要注意外来生物に指定され、さらに日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。
ハルジオンの花名の由来
ハルジオン(春紫苑)という和名は、同じキク科の植物の「シオン(紫苑)」に似ていること、そして秋に咲く紫苑とは違って春に咲くことから、春に花が咲く紫苑ということで「ハルジオン(春紫苑)」という名前がつけられました。
名付けたのは、植物学者の牧野富太郎氏だと言われています。
また、別名では「貧乏草」というあまり有り難くない名前がつけられているようです。
ハルジオンの英名「Philadelphia fleabane」は、原産国である北アメリカのフィラデルフィアから付けられており、他には「Philadelphia daisy」と呼ばれることがあります。
ハルジオンの別名・貧乏草の由来は?
「貧乏草(ビンボウグサ)」というなんとも残念な別名がつけられているハルジオン。
この「貧乏草」という別名の由来は諸説ありますが、
●「ハルジオンの花を摘んだり折ったりすると貧乏になる」という迷信が元になっている
●繁殖力が強く、庭の手入れが行き届かない貧乏な家でも咲くことからきている
という2つの説があります。
また、「持ち帰ると貧乏になる」という迷信もありますが、これはうっかり持ち帰ったりすると後になって駆除するのが大変なことからきているといわれています。
ハルジオンは株ごと抜かないと完全には駆除できないほど繁殖力が強く、除草剤に耐性がついているものもあるという話で、一度広がってしまうと根絶させるのはかなり苦労するそうです。
正に雑草そのものですね。
ハルジオンの特徴
ハルジオンは北アメリカ原産の多年草の一種です。
白や淡いピンク色の花を咲かせますが、開花時期は4月から6月頃。
キク科特有の舌状花と呼ばれる細い花弁を持ち、白い糸のような細い花弁が中心から放射状に広がっているのが特徴です。
また、葉の形は楕円形で毛が生えていて、茎の中は空洞になっています。
草丈は30cmから大きい個体は80cm程度まで成長し、花は約2cmくらいの大きさです。
ハルジオンとヒメジョオンの違いと見分け方
ハルジオンは同属のヒメジョオンとよく似ていて、区別がつきにくいと言われていますが、この2つの植物の違いや見分け方について解説します。
※ ヒメジョオンについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
●ハルジオンの方が開花時期が早い
ハルジオンの開花時期は4月から6月頃ですが、一方のヒメジョオンの開花時期は6月から10月頃であり、開花時期がずれているので見分けることができます。
●茎の構造に違いがある
ハルジオンの茎は中空状で中身はスカスカなので、指で摘むと茎が凹みます。一方、ヒメジョオンの茎は中身が詰まっていて固い茎となっています。
●花の形状や大きさに違いがある

左:ハルジオン/右:ヒメジョオン
画像の左側がハルジオンの花で、右側がヒメジョオンの花です。
見てわかるとおり、ハルジオンの花弁は糸のように細く数が多いですが、ヒメジョオンの花弁はハルジオンよりも太く、数が多くなっています。
また、一般的にハルジオンの方が草丈が低めで、花の大きさはハルジオンの方が少し大きめです。
ハルジオンの食用利用について
植物の中には食べられるものがいくつかありますが、ヒメジョオンと同様にハルジオンも食べることができます。
他の野草のようにお浸しや和え物、天ぷらにして食べることができます。キク科の植物のためか、風味や香りは春菊に似ているそうです。
※ ハルジオンの食用利用については、以下の記事を参考にしてください。
ハルジオンの薬用利用について
ハルジオンはヒメジョオンと同様に、原産地の北アメリカにおいてネイティブ・アメリカンが薬草として利用していたそうです。
ネイティブアメリカンの部族はハルジオンを様々な薬用目的で使用していました。
薬効と使用方法
・湿布(植物材料の柔らかく湿った塊)は、頭痛を治療するために使用されました。
・香油(植物を茹でて獣脂と混ぜ合わせて作る)は、皮膚の痛みを癒やすために使用されました。
・お茶には収斂性、発汗性、利尿作用があり、下痢、痛風、てんかんの治療や利尿剤として使用されました。
・お香や嗅ぎたばこは、風邪の治療のために吸入剤として使用されました。
また、ハルジオンの葉には抗酸化作用と神経保護作用があることが示されているコーヒー酸が含まれており、お茶にして飲むと肥満や糖尿病の予防効果があるといわれています。